日傘をさして出かけましょう 24
誘木(いざなぎ) (めい)

 眉をひそめて見やる先。小さな黒い生き物が、これまたニィと笑みを見せる。鋭い牙が、キラリと光る。
「とっ 鳥?」
 両脇で中途半端に広げられるのは、まさに翼。だが相手は、私の言葉に憮然と口を尖らせる。
「鳥ではありませんっ 蝙蝠ですよ。蝙蝠。よろしいですか? 蝙蝠はレッキとした哺乳類なのですよっ!」
 鋭い抗議の言葉と共に、テケテケと私に歩みよるが―――


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